静岡県においては、3月4月になると、暖かい季節の訪れとともに、ハチの活動が目立ち始めます。ハチは多くの種類がありますが、一般的に春になると営巣活動が活発化し、人々の周囲で見かけることが増えます。この時期にハチの生態と駆除方法を知っておくことは、安全で快適な生活を送るために重要ですね。

ハチの生態
ハチは一般的に社会性昆虫であり、巣を作って集団で生活します。主な種類としては、ミツバチやスズメバチ、アシナガバチなどが挙げられます。これらのハチは巣を作り、巣の中で子育てや食料を確保するために働きます。
春になると、女王ハチが冬眠から目覚め、新たな巣を築くために活動を始めます。彼女たちは巣の中で卵を産み、働きハチを生み出します。巣は徐々に拡大し、その結果、周囲に巣を見つけることがよくあります。

ハチの駆除方法
ハチの巣が住宅や人々の生活空間に近くにあると、危険な状況になり得ます。ハチは刺されると痛みやアレルギー反応を引き起こすことがあり、特に子供やペットにとって危険です。
毎年、アナフィラキシーショックで亡くなる人のニュースが聞かれます。
日本においては、熊よりもハチに刺されて命を落とす人の方が多いという事実があります。そのため、ハチの巣が見つかった場合は、以下の駆除方法を検討することが重要です。

1. プロの呼び出し
ハチの巣を駆除する最も安全で効果的な方法は、プロの害虫駆除業者に依頼することです。彼らは専門知識と適切な装備を持ち、安全に巣を撤去することができます。また、再発防止のための対策も提案してくれます。

2. DIY駆除
小さなハチの巣であれば、DIYで駆除することも可能ですが、慎重に行う必要があります。巣に近づく際は、適切な保護具を着用し、夜間や早朝に行うことが推奨されます。また、市販の殺虫剤を使用する際には、ラベルの指示に従って安全に使いましょう。

3. 予防対策
ハチの巣が再発しないようにするためには、予防対策を講じることが重要です。巣ができやすい場所には、巣を作りにくいような対策を施すことが有効です。また、定期的な点検や清掃を行うことで、早期に巣を発見し対処することができます。
春の訪れとともにハチの活動が活発化する3月と4月。ハチの生態と駆除方法を知っておくことは、安全で快適な生活を送るために重要です。巣が見つかった場合は、プロの業者に依頼するか、慎重にDIYで対処することが大切です。また、再発を防止するために予防対策も忘れずに行いましょう。

それでは、具体的にどのような対策が必要なのか?
ハチの種類ごとに検討してみましょう。
静岡県、春のミツバチは分蜂の季節です。 
静岡県では、河津桜が早めの春の訪れを知らせてくれますが、暖かくなってくると共に、ミツバチの世界では興味深い現象が起こります。それが「分蜂」です。分蜂とは、ミツバチの巣から新しい巣を作るために、一部の働きハチが古い巣から出て行く現象です。
この時期、ミツバチの巣は活気に満ちています。女王蜂が新しい卵を産み、働きハチは献身的に働いています。しかし、巣の規模が大きくなると、巣内の空間や資源が不足してくるため、新しい巣を作る必要が生じます。
分蜂はその解決策の一つです。女王蜂は巣の中で新しい女王蜂を育て、成熟した新しい女王蜂が羽化すると、古い巣から出て行く準備が整います。その後、一部の働きハチが女王蜂を護衛しながら巣から飛び立ち、新しい巣を探します。
分蜂が起こると、周囲の人々は興味深い光景を目にすることがあります。大群のミツバチが空中を舞い、新しい巣を見つけるために探索します。時には、建物の壁や木の枝に仮の巣を作ることもあります。
ミツバチが分蜂する際には、そのプロセスを理解し、ミツバチに対する理解と尊重が重要です。彼らは自然界において重要な役割を果たしており、分蜂は彼らの自然な行動です。そのため、巣が人々にとって危険な場所にある場合を除き、穏やかに彼らの活動を見守ることが良い選択です。
しかしながら、ご自宅の周りや庭の木に大量のハチが現れると、非常に恐怖感や不安にさいなまれると思います。
大群で移動するミツバチは、新しい巣を作るために移動しますので、数時間でいなくなることもあれば、10日間ほど同じ場所に滞在することもありますし、ほど近い場所で巣を作ることもあります。
静岡県の沼津市で依頼を受けた現場では、朝から大量のミツバチが飛んでいて、近所の方と大騒ぎになってしまい、その群れが依頼者の自宅の壁に密集して止まったそうです。
まさに分蜂の群れなのですが、15分もするとそのハチも群れは見る見るうちに小さくなり、消えてしまったそうです。よく見ると、自宅の外壁から配管が出ており、その配管と外壁の隙間へすべてのハチが入っていってしまいました。
まさに、ご自宅でこれからミツバチが巣を作成する瞬間を目撃したということになります。
数千匹のミツバチの群れを捕まえるのは容易ではありませんでしたが、ミツバチは益虫なので、できるだけ生かしてとらえるようにしています。
春のミツバチの分蜂はプロにご依頼いただいた方が、あと片付けもきれいにできるのでお勧めです。
春のミツバチの分蜂は、自然界の営みの一部として美しい光景です。この時期に出会ったときには、その壮大な姿に感動し、彼らの活動を尊重しましょう。

アシナガバチの春の活動について
アシナガバチ(学名: Vespa crabro japonica)は、ハチ目(Hymenoptera)の一種であり、日本を含むアジア地域に分布する大型のバチです。この種は一般的に、冬季には冬眠状態に入りますが、春の訪れとともに活動を再開します。以下では、アシナガバチの冬眠から春の活動について学術的な視点から解説します。

冬眠
アシナガバチは、寒冷な冬の間、巣の中で冬眠状態に入ります。この期間中、彼らは代謝が低下し、動きが鈍くなります。また、巣の外部からの冷気や雪から身を守るために、巣の中で密集して集合します。この集合行動によって、バチたちは体温を保ち、冬季の厳しい環境に適応します。

春の活動
春になると、気温が上昇し始めると同時に、アシナガバチも冬眠から覚めて活動を再開します。まず、女王バチが冬眠から目覚め、巣の中で新たな働きバチを生み出すために卵を産みます。これによって、巣の中での活動が再開され、巣の規模が拡大していきます。
一方で、冬眠中に外部の環境に曝されたバチたちも、春の訪れとともに活動を再開します。彼らは最初に巣の周囲を探索し、巣を修復し、餌を集めるための活動を始めます。特に、春先には樹液や花の蜜を求めて活動し、巣の中での餌の確保に努めます。

行動パターンと影響
アシナガバチの冬眠から春の活動への移行は、彼らの生態学的行動の重要な要素です。これにより、個体群の生存と繁殖が確保されます。また、春の活動の開始は、生態系における彼らの役割が再び活発化することを意味し、他の生物との相互作用や生態系のバランスに影響を与えます。

以上のように、アシナガバチの冬眠から春の活動への移行は、彼らの生態学的適応の一環であり、個体群の存続と生態系の機能に重要な影響を与えます。この過程についての研究は、生物学や生態学の分野で広く行われており、生物の季節的な生活史や行動パターンに関する理解を深めるために重要です。
春の時期のアシナガバチは、女王バチが単独で巣作りをしているケースがほとんどですが、まれにまとまって冬眠をして過ごして、数十匹の単位で一斉に活動し始める場合もあるので、注意が必要です。

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スズメバチの春の活動について
スズメバチ(学名: Vespa spp.)は、社会性ハチの一種であり、春になると活動が活発化します。以下では、スズメバチの春の活動について解説します。

女王バチの覚醒と営巣活動
春の訪れとともに、スズメバチの女王バチが冬眠から覚醒し、営巣活動を再開します。女王バチは冬を越すために冬眠中に体内に蓄えた栄養を利用し、巣を築くためのエネルギーを得ます。彼女たちはまず、巣を建設するための適切な場所を探し始めます。適した場所が見つかると、女王バチは細かい木の繊維や唾液を混ぜてペーパーパルプを作り、それを巣の基盤として利用します。

巣の拡大と働きバチの活動
女王バチが巣の基盤を作った後、働きバチたちは彼女の指示に従って巣を拡大していきます。彼らは周囲から木の繊維や植物の繊維を集め、それを噛み砕いてペーパーパルプを作り、巣を増築します。同時に、彼らは巣の内部で卵を産み、幼虫を育てるための餌を供給します。この段階では、巣の規模は比較的小さく、数十から数百の個体で構成されています。

餌の調達と防衛行動
春の間、スズメバチは餌を探し求めるために広範囲に活動します。彼らは花の蜜や樹液、他の昆虫などを捕食し、巣に持ち帰って幼虫や成虫の栄養源とします。また、巣を防衛するためにも巡回し、巣に近づく他の動物や外部の脅威から巣を守るための行動を行います。

まとめ
スズメバチの春の活動は、女王バチの覚醒と営巣活動、巣の拡大と働きバチの活動、餌の調達と防衛行動という一連のプロセスから成り立っています。これらの活動は、個体群の存続と巣の維持に不可欠であり、生態系におけるスズメバチの役割を果たす重要な要素です。これらの行動を理解することは、スズメバチと人間との共存や、生物学的な視点から生態系のバランスを理解する上で重要です。
スズメバチの駆除は、たとえ一匹でもかなりのリスクを伴いますので、気を付けて作業をしてください。
危険だと思う場合は、プロの業者へご依頼いただくのが安心です。